まつりちゃとR氏

R氏は犬です。

グランドブダペストホテルがサイコーだった話

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劇場公開時から観たかったけどどうにもタイミングを逃しつづけ、今更観ました。
『グランドブダペストホテル』

サラッと把握しようとこのブログ記事を読んだところ、観たい欲求が棒高跳びのように跳ね上がって一気に観ました。
町山智浩がたまむすび(ラジオ)にてグランドブダペストホテルを語る」miyearnzzlabo.com/archives/18434

こういう書き起こしブログってゲンミツにはルール違反なのでしょうが、目からのインプットに慣れてるとどうしても書き起こしのほうが頭に入ってきて読んでしまいます。ごめんね町山さん。ラジオはいつの間にか内容が流れていってしまって。

しかし、書き起こしが読みやすいということは町山さんの喋り方は理想的な語り口なんだろうなぁ。
よく文章も「見直しは口に出して読んでみろ」と言いますし。

私、このブログ記事を読んだ時に、『イミテーションゲーム』と同じくらい感動しまして。
私がアホなんですが、バックボーンをこれだけ魅力的に語ってくれて、映画がめちゃくちゃ観たくなって、観るときも理解を助けてくれて、映画体験を何倍にも高めてくれる人、として町山智浩さんは映画評論家として本当に凄い人だと思ってます。
ちなみにラジオのお相手の南海キャンディーズの山ちゃんも、マツコさんと話してる時とかたまむすびをみてるとホントに芸人さんとして賢くてきちんとした方なんだなと感じます。
Twitterで暴露?(自分から?)された女性変暦とか、脚本家として参加なさった進撃の巨人の出来とか、そういうのはひとまず置いておいて。(映画製作に関しては彼がもっとイニシアチブを取れる立場にいればまた違うと思うんですが、良くも悪くも「映画評論家」としてのキャリアが長すぎて破天荒にはもうなれないんじゃないかな……なんて)

妙に彼に反感持ってる人いるけど、ダサいな~~~サブカルらしいこじらせ方してんな~~~って思います。自意識こじらせた逆恨みですよね。

で、正直先のブログ記事とグランドブダペスト本編を観たらもう十分だと思うんですが、一応感想をば。

「世界の住みやすい都市ランキング」で毎年上位に入るウィーン。
歴史上でも要を果たしてきて、最近は派手ではないが常に一目置かれ、第二次大戦では被害も加害もありつつもなんとなく「イイ立ち位置」で終わらせ。
年の功なんでしょうか、エネルギッシュではなくてちょっと老獪で……って感じがすごく魅力的ですよね、ウィーン、オーストリア
ヨーロッパを日本に例えると、ウィーンは京都のような立ち位置なんでしょうかね?
数年ぶりにウィーン熱が盛り返してきたところに、いいタイミングでこのグランドブダペストを観ました。
国の名前は全て架空なんですが、グランドブダペストホテルがあるモデルはほぼオーストリアまんまな感じです。チロルとかのちょっとした山岳地帯かな。
ドイツのオーストリア侵攻とか、インドからの難民、を国をすげ替えて語ってます。わりと露骨。

主役はグランドブダペストの敏腕かつ奔放な前コンシェルジュ、この人がレイフ・ファインズですね。
レッドドラゴンは有名ですがナイロビの蜂が好きなのでこの方もそこそこ好きです。イギリス人の役者さんらしく演技の幅も広く質高いですよねー。
語り部はその後任者になる、インドっぽい国から逃れてきた若者。

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派手な色遣いの画面が多いです。

簡単に言うと、ホテルの敏腕コンシェルジュが遺産をめぐった係争に巻き込まれ、戦争が始まることでそれが混乱し、騒動をなんとかおさめ、その話を作家が聞いて本にし、それが本を読む「どこかの誰か」に伝わって始まり終わる。という話です。

外見だけでなく美しいもの、精神や行動が失われるから戦争って嫌ですよね。
日本でも犬猫を忠誠心を示させるためだけに献上して殺されるがままにしたり(軍用犬にするなんて大義名分があっても人間の扱いを見れば犬猫の扱いなんてお察しです。)、
金魚は贅沢品として一律弾圧、絶滅、だなんて。文化大革命でもそういうことがありました。どれだけ生きたレガシーが失われたか、想像もしたくない。
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犬がのんびり寝てられる世の中、金魚が泳いでいられる世の中が平和だよね


単純にナチスを批判するんじゃなく、魅力的なものを魅力的に語り、またどれだけ理不尽にキャリアや積み重ねた信頼を奪われたのかということを見せるというのはすごくいいですね。ただのオシャレ映画では全く無いです。

他にもジュードロウ、『戦場のピアニスト』のエイドリアンブロディ、ナチもどきの将校にエドワードノートン(代表作が選べないんですが、レッドドラゴンでそういえばレイフファインズと共演してる)、『コンスタンティン』で美しい大天使をやってたティルダスウィントンが特殊メイクで老婆役、ビルマーレイ、スパイダーマンでグリーンゴブリンをやってたウィレムデフォー……
書き切れないほど演者が豪華です。
あのね、演劇で日本と外国で一番違うのがここだなって思います。
俳優や女優にちゃんと教養があるから、画面だけじゃなくバックボーンまで素晴らしい作品に、きちんとした考えを持つ演者が集まる。それの健全なスパイラルが出来てますよね。
見た目も演技もいいのに教養無いめなチョイスばっかしてるヒュージャックマンも好きですけど。選び方ブレないし。

インターステラーすごく良くて、画面も脚本も良かったんですけど唯一キャスティングだけイマイチで。
グランドブダペストは画面はサイコーだし脚本もまァで中弛みなくテンポよく(短いし。どうして短いんですかね、でも過不足なかったです。)、キャスティングもなんかみんな美しくてすごく良かったです。
エイドリアンブロディがバカで強欲なクソ息子やってたんだけど甘くて美しくて悪いことになんも罪悪感持ってなくてそれはそれで似合ってて良かったです。
レイフファインズもああいう破綻した色気のある役もいいなぁ。
彼らはそれぞれ戦場のピアニストナイロビの蜂は「ハマリ役」ではありますが、ハズれた役をバチッとキメてくるのが「演者」ですよねぇ。
そういう面白い演者と、マトモな脚本家、教養があって演技指導に長けた映画監督が相乗効果で作り出すから映画は「一人じゃできない」し「誰も想像出来ない世界にまで昇華される」んだよね。
「ただ映画いっぱい観た自慢」しかできない役者は死んだほうがいいと思います。

逆に言うと日本であまり話題にならなくても有名な役者さんがいっぱい出てればマトモに作られた映画が観られるんじゃないかなぁ。それでもハズレはあるけど、「自分が知らないからツマラナイ」のは勿体ないからやっぱり映画評論家って偉いわ👍

ウィーンにめっちゃ行きたくなったし、長期滞在したいなぁ。む

なんかあんまりまとまってないけどおわり。ほいじゃの